「間引き」で元気な株を絞り込む
種を1つのくぼみに対して4、5粒ずつまきましたが([準備&種まき]編はこちら)、最終的には各くぼみの中で、いちばん元気な1株だけを残して育てます。これを「間引き」といい、段階をふんで弱い株を抜き、良い株だけに絞り込んでいきます。
間引きのタイミングと回数は?
間引きは全部で3回行います。1回目は双葉が出そろったとき。1カ所につき、4、5本→3本に減らします。茎がヒョロヒョロとしているものや、葉が虫に食べられているもの、葉色が薄いものなどは抜き、双葉の形が丸くてきれいな芽を残しましょう。
間引きしたものは、ベビーリーフとして食べることができます。
2回目は本葉が2、3枚になったときで、3本→2本にします。3回目は本葉が4、5枚になったときに行い、2本のうち元気な1本に絞りましょう。
間引き後には追肥を
2、3回目の間引き後には、土の中の栄養分を使い切っているため、化成肥料10gをプランター全体にパラパラとまいて、追肥しましょう。また、同時に「土寄せ(土を根元に集めること)」や「増し土(新たに土を根元に加えること)」をすることで、生長が促されます。
日ごろの手入れは?
葉のみずみずしさを保つために、たっぷりとこまめに水を与える必要があります。土の表面が乾いたら、1日1回、水がプランターの底から流れ出るくらい与えましょう。
水と一緒に栄養が流れ出るため、2週間に1度を目安に、追肥・土寄せは継続しましょう。
日ごろの手入れは?
種まきから60日ほどで、直径25~30cmの大きさまで育ちます。葉が10枚くらいになったら、いよいよ収穫です。収穫の際は、株ごとではなく外側の葉から順に手で摘み取るようにしましょう。これにより、中心からまた新たな葉が育ち、数回に分けて、長く収穫を楽しむことができます。
株ごと収穫するときは、片手で株全体を持ち、株元を包丁やハサミで切り離して収穫しましょう。
いろいろな種類を育てよう
今回紹介した方法で、サニーレタス、リーフレタスやサンチュやコスレタス、サラダ菜などさまざまな種類のレタスを栽培することができます。大きめのプランターを用意すれば、多品種のレタスをひとつのプランターで同時に育てることも可能です。多品種の場合は、ミックスレタス用として種が販売されているので、そちらを活用すると便利です。
藤田 智
1959年秋田県湯沢市生まれ。宮澤賢治に憧れ、岩手大学農学部に入学し、同大学院修了。向中野学園高校教員、恵泉女学園園芸短期大学助教授を経て、現職。専門は、園芸学、野菜園芸学。野菜栽培に関連する著書は160冊を超え、「NHK 趣味の園芸 やさいの時間」や日本テレビ「世界一受けたい授業」などのTVにも多数出演する。家庭菜園や市民農園の指導、普及活動を通じて、野菜づくりの楽しさを広げる取り組みを行っている。
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