子どもの野菜摂取量は、親の意識次第!?
カゴメが2017年3月に実施した調査によると、1日の野菜摂取量が足りている子ども(※)は、全体のわずか4%。なんと、96%が野菜不足という実態が明らかになったのです。調査に協力した親の約1/3が、「子どもの野菜摂取量が足りていると思っている」と回答しましたが、実際に足りている子どもは、そのうちたったの7%でした。
調査では、学齢別で以下の理想的な野菜摂取量と比較し、理想的な摂取量に達している子どもを「足りている子ども」と定義しています。
【子どもの理想的な野菜の摂取量とは】
3~5歳(幼稚園):240g、6~7歳(小学1年):270g、8~9歳(小学2・3年):300g、10歳以上(小学4年以上):350g
「4つの食品群の年齢別・性別・身体活動レベル別食品構成」(女子栄養大学)より
さらに調査では、子どもの野菜摂取量が足りている家庭と足りていない家庭では、食事を作ったり買ったりするときに、意識しているポイントに違いがあることがわかりました。足りている家庭では栄養面への意識が高い一方で、足りていない家庭では調理の手軽さや利便性を重視する傾向があるようです。この差は、1日の食事の中でもとくに朝食に大きく表れています。
「子どもが野菜不足になるのは、野菜を食べてくれないから」と思いがちですが、実は、親の食事への意識が大きな影響を与えているのです。
野菜を多く食べる家庭には、調理法に共通点があった
では、子どもが野菜を十分に摂取できている家庭では、どのような方法で野菜を食べているのでしょうか。調べてみると、ある共通した特徴がみられることがわかりました。それは、ほぼ毎日、野菜を加熱調理している点。サラダなどの生食だけでなく、煮ものや炒めものにして効率良く摂取している人が多かったのです。
同じおかず1品でも、野菜のカサが減ってより多くの量を食べられる加熱調理は、野菜不足解消の大きなポイントといえそうです。
加熱調理を紹介した記事はコチラ/野菜の栄養、茹でるとなくなるは本当?茹で野菜のメリットを紹介
野菜不足を無理なく解消するには?
同調査によれば、野菜が好きな子どもは55%と、全体の半数以上もいることがわかりました。
そこで、子どもがもっと野菜を美味しく食べられて、親も無理なくできる、野菜摂取量アップのポイントを紹介します。
なにかと忙しい朝は、電子レンジ加熱が便利です。たとえば、せん切りキャベツを皿に入れて卵をのせ、黄身につまようじで数カ所穴をあけて電子レンジで加熱するだけで、「巣ごもりエッグ」が作れます。もしもキャベツのにおいが苦手なら、お好みのソースやトマトケチャップをかけて食べやすくするのも効果的。手軽にできるので、朝食メニューにぴったりです。
また、野菜の中でも、独特のにおいやクセがある緑黄色野菜は、苦手意識を持つ子どもが少なくないようです。近ごろはにおいの少ないにんじんや苦みが少ないピーマンなど、食べやすい品種も出回っていますので、そうしたものも上手に取り入れながら、子どもの「好き」を伸ばしてください。
最後に
少しの工夫で、子どもの毎日の野菜摂取量を増やすことはできます。「もっと食べさせなきゃ」と身構え過ぎずに、いつもの献立からおいしく食べ方を広げていきたいものですね。
カゴメ 「野菜と生活 管理栄養士ラボ」
カゴメ管理栄養士による、「食と健康」に関するコンテンツを開発・提案する専門チームです。カゴメがトマトを中心とする野菜の研究活動で培った知見、小売店、中食・外食業態を展開する企業向けの営業活動で培ったメニュー開発・提案力を活かし、「健康セミナー」や「メニューレシピ監修」など日々の健康づくりにお役立て頂けるコンテンツを開発し、提案致します。