【調査概要】
調査期間:[日本]2017年3月22日~23日、[アメリカ]2017年3月22日~31日
対象:[日本]首都圏在住の男女1,000人(20~69歳)、[アメリカ]ニューヨーク周辺在住の男女1,000人(20~69歳)
割り付け:国(日本、アメリカ)、年代(20代、30代、40代、50代、60代) 男女各100名
方法:インターネットによるアンケート方式
アメリカでは、若者ほど野菜摂取への意識が高い
先出の農林水産省の「野菜をめぐる情勢」によると、2011年度のアメリカでの1人あたりの年間野菜摂取量は113㎏で、日本より12kg多く、1日平均にすると約310g。意外かもしれませんが、アメリカ人の方が野菜を多く摂取しているのです。2017年のカゴメの調査結果からは、その数字以外にも、日米間での意識や摂取手段の大きな違いが見えてきました。
1. 年代別の野菜摂取傾向は日米で違う!
年代別で野菜摂取の平均皿数を比べると、日本では中高年ほど野菜摂取量が多く、もっとも多いのは60代で2.4皿、続いて50代と30代が2.2皿です。これに対し、アメリカでは30代がもっとも多い3.1皿、これに次ぐのが20代で2.2皿と、若年層ほど野菜を食べる量が多い傾向に。
年代別野菜摂取量の傾向の違いには、野菜に関する考え方や行動の違いが大きく関わっているよう。アメリカでは、1990年代から国を挙げて食と健康との関わりを重要視し、食育に取り組んできました。同調査で、「1日に摂取すべき野菜の量を知っている」と回答したアメリカ人の割合が、全年代で日本人を上回っていたのも、この食育が浸透していることを裏付けています。とくに30代が79%、20代が66%と意識が高く、若いうちから野菜を食べる習慣を意識的に身につけているようです。一方、日本では全体的に意識は低めで、もっとも意識が高い60代でも37%、20代ではわずか23%という結果に。中高年になって健康を意識し始め、食生活への関心を高める傾向が見えてきます。
2. アメリカは野菜摂取方法のバリエーションが多い
食事の摂取方法も、日米で特徴が異なります。日本は、朝・昼・夕ともに手料理で摂るスタイルの人が多い一方で、アメリカでは手間をかけないスタイルが主流。料理の素や簡便調味料のほか、調理キット・セット、加工品などを取り入れて、手間を省いた料理をしている人が多いことがわかりました。
さらに、どんな調理法で野菜を食べているかを比べてみると、日本はサラダなどの生食や炒めものに偏りがちなのに対し、アメリカはサラダ以外にも蒸しもの、焼きもの、トマトソースなどの野菜加工品を使ったもの、ジュース、スムージーなど、実にバリエーションが豊富。いろいろな選択肢があるため、野菜摂取量アップにつなげやすいようです。
日本では、働く人ほど野菜が摂れていない!その要因とは?
「野菜を摂るのはサラダがほとんど」「調理キットにはなじみがない」。日本では、こうした摂取方法のバリエーションの少なさが、「忙しい人ほど野菜を食べられない」という事態につながっているようです。職業別に1日の野菜摂取量を比較したところ、専業主婦や学生では日本の方が野菜を多く摂取していますが、働く人(フルタイム・パートタイム)ではアメリカの方が摂取量が多いという結果になっています。日本の働く世代にとって、忙しいから食事はラクに済ませたいと考える傾向は顕著で、若年層ほど食に対して「簡便化」「経済性」志向が強くなっています(農林水産省 2013年3月「野菜の消費をめぐる状況について」より)。
一方で、野菜が不足・不足気味だと思う人に「どのように野菜不足を解消したいか?」と質問したところ、日本人でもっとも多かった回答は「家庭の食事で野菜の量を増やす」で、全体の半分近くを占めました(49.4%)。手作りへの意識が強いにもかかわらず、調理のバリエーションが乏しいために、「野菜を摂りたいと思っているけど、十分に摂れていない」という状況から、なかなか変えられない人が多いのかもしれません。
忙しいときにこそ取り入れたい、野菜摂取量アップの方法
忙しい人にとって、できれば時間をかけずに効率良く、手作りの料理で野菜を増やしたい、というのが理想ではないでしょうか。そこで、無理なく野菜の摂取量を増やす3つの方法をご紹介します。
最後に
野菜を摂りたいけれど摂れていない、という状況を変えていくには、野菜摂取のバリエーションを取り入れやすい方法から増やしていくことがポイント。日米それぞれの食文化をヒントに、常備菜・作りおきなど“手間をかけない”調理で取り組んでいきましょう。
カゴメ 「野菜と生活 管理栄養士ラボ」
カゴメ管理栄養士による、「食と健康」に関するコンテンツを開発・提案する専門チームです。カゴメがトマトを中心とする野菜の研究活動で培った知見、小売店、中食・外食業態を展開する企業向けの営業活動で培ったメニュー開発・提案力を活かし、「健康セミナー」や「メニューレシピ監修」など日々の健康づくりにお役立て頂けるコンテンツを開発し、提案致します。