食感を良くする下ごしらえ2ステップ
オクラは、茹でて使うのが基本。オクラの食感を活かすために欠かせないのが、「ヘタの下処理」と「うぶ毛を取る」ことの2つです。
ヘタの下処理の方法
ヘタの周り(ガク)の硬い部分を、包丁の柄に近い方で面取りするように削り取ります。また、軸の硬い部分も切り落とします。こうすると、ヘタのところまで食べられて、丸ごと天ぷらや炒めものにするなど、余すことなく使えます。
うぶ毛を取る方法
オクラをサッと水洗いしてボウルに入れ、塩をまぶして写真のように指でやさしくこすります。一度にたくさん処理する場合は、「板ずり」が便利。水洗いしたオクラをまな板の上に置き、塩をふって手のひらでやさしく押さえながら前後に転がして、表面をなめらかにしましょう。
「サッと茹でる」の目安は約1分
沸騰した湯に下ごしらえしたオクラを入れ、サッと茹でます。茹で時間は1分ほど。湯から取り出すタイミングは「オクラを入れた後、湯が再沸騰してから一度だけ向きを返して、ひと呼吸おいてから」と覚えておくと良いでしょう。
冷まし方は、「どのような食感に仕上げたいか」によって使い分けるのがコツ。粘りを逃さず、歯切れの良さを出したいなら、取り出したオクラを氷水にサッとつけてから、すぐザルに上げて冷まします。急激に冷やす「色止め」を行うことで、色が鮮やかになるのもポイントです。
ほどよい歯ごたえに仕上げたい場合は、茹で時間を少し短くしましょう。少し硬いと感じる程度でザルに上げ、余熱で中まで熱を通しながら冷まします。
採れたては茹でなくてもおいしい!
オクラは、出始めの時期(6~7月)のやわらかいものや、採れたてのものなら、生のまま食べられます。水洗いして水気を拭き取り、塩もみしてうぶ毛を取ったら薄切りに。おひたしにしたり、味噌汁に入れたりして食べると、茹でたときとはまた違った食感を楽しめます。
高城順子
女子栄養短期大学食物栄養科卒。和・洋・中華料理の専門家に師事した後、料理教室の講師を経て、フリーの料理研究家に。研究途上、栄養学の見地から野菜や果物のより有効な活用を思い立ち、エスニック料理の真髄を学ぶために東南アジア諸国を訪問。そこで習得した「美味しい健康食」の料理法をまとめ、発表した『くだものと野菜のヘルシークッキング』は、各方面から評価を得る。
入手しやすい材料からちょっとした工夫で作る家庭料理が人気。テレビをはじめ、多数の雑誌で料理を発表し続けるとともに、新しい時代の食文化啓蒙活動にも力を入れている。