草木染めとは?
植物に含まれている自然の色を抽出して糸や布を染める方法を「草木染め」といいます。草木の種類によって発色する色が異なるうえ、同じ植物でも季節や染め方を変えることにより、多彩な色に染めることができます。
草木染はどの色もやわらかく安らぎのある自然の色合いが特徴です。
タマネギの皮で染まる理由
タマネギの皮には、ケルセチンという色素が多く含まれているため、今回のように染色ができます。ケルセチンはフラボノイドの一種です。様々な野菜に含まれていますが、中でもタマネギの皮に多く、可食部の20倍以上の量を含んでいます。なおケルセチンは黄色の色素ですが、タマネギの皮のケルセチンは赤味が強い色相なので、オレンジ色に染まることもあります(天然色素は染める素材によっても発色が変わるため、どんな色が出るか分からないのも魅力です)。
タマネギの草木染めをやってみよう
●準備するもの
<染料液>
- タマネギの皮:50g
- 水:5リットル(染料液用)
- こし布(ガーゼやさらしなど)
- ざる
<媒染液>
- 焼きみょうばん:8g
- 水:500ml
- 鍋
- ステンレスボウル
- 染める布(ハンカチなど※)
- 豆乳(または牛乳)
- 輪ゴム
- アイロン
- アイロン台
- 消石灰
大きなサイズの布を染める場合、たくさんのタマネギの皮が必要になるので、今回はハンカチ程度の大きさ(100g)を想定しています。
●手順
- 鍋にタマネギの皮を入れ、水(5リットル)を加えて30分程度煮出して染料液を作る。
- ステンレスボウルにざると、こし布をかけて1をこす。
熱いので、やけどに注意してください。
- 鍋に水(500ml)を沸かし、焼きみょうばんを入れて弱火で透明になるまで15~30分くらい加熱して溶かし、媒染液を作る。
- 染める布を水洗いし、よく絞る。濃いめに染めたい場合は豆乳か牛乳に浸して絞る。
- 模様をつくる。輪ゴムで布の数か所をくくると白い輪のような模様になる。
- 布を2の染料液に浸す。
- しばらく浸して全体に色が付いたら、輪ゴムを外し、水洗いしてよく絞る。
- 洗面器などに入れた3の媒染液に15~30分浸す。
- 染まった布を水洗いして干す。
- アイロンをかけて、しわを伸ばせば完成。
最後に
タマネギの皮を使って、子どもと一緒に草木染めを楽しんでください。