同じ「ヤマノイモ科」の仲間
実は、「山芋」という品種はありません。山芋は「ヤマノイモ科」に属する芋類の総称で、長芋もこのヤマノイモ科に含まれます。スーパーでは、いちょう芋やつくね芋といった品種が「山芋(大和芋)」として売られています。
山芋も長芋も、栄養価に大きな違いはありません。どちらもカリウムや、ぬめり成分を含んでいます。特徴的なのは、粘りの強さと味わい。山芋は粘りが強く甘みがあるのに対し、長芋は水分が多く、粘り気は少なめで淡白な味わいです。
芋なのに生で食べられるのはなぜ?
すりおろして「とろろ」にする料理が代表的ですが、山芋や長芋は、生で食べられる世界でも珍しい芋。消化酵素であるジアスターゼを含んでいて、でんぷんの一部が分解されるため、生で食べても胃にもたれないのです。
生で食べる場合、山芋は粘りのある食感を生かすために、すりおろして使うのがおすすめ。山かけや、だしを加えたとろろ汁にぴったりです。長芋は水分が多いので、すりおろすのはもちろん、切ってサラダや和えものに入れると、サクサクとした食感がアクセントになります。
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加熱するとふわふわ、ホクホクに!
生でもおいしいのはもちろんですが、加熱すると大きな変化が。山芋・長芋は、主成分であるでんぷんに熱が加わると食感が変わって、味わいがさらに豊かになるのです!
長芋は火の入れ方によってサクサクからコリコリ、ホクホクと、食感が変わっていき、旨味もプラスされます。輪切りにしてソテーや炒め煮にするほか、ステーキなどの焼き料理に。山芋は、すりおろしたものを加熱すると、とろみのある食感がふわふわ、モチモチに変わり、風味もアップ。グラタンや落とし揚げにすれば、やわらかな食感が主役のおかずになります。ボリュームが増すので、お好み焼きのつなぎとしても活躍します。
切り方や加熱方法によって味わいが変わる山芋・長芋。特徴を覚えてしまえば、料理のアレンジがぐっと広がります。お好みの食べ方をぜひ見つけてくださいね。