【最初に】切る向きによって味わいが変わる
タマネギを切るとき、ポイントになるのが「繊維の方向」。繊維に沿って切れば、シャキシャキとした食感を生かせます。繊維を断ち切るように切れば、口当たりが柔らかくなり、短時間で火が通ります。
炒めもの・スープに使うときは「繊維に沿う」
繊維に沿って切ると、加熱しても形が崩れにくく、食感を残せます。炒めものやスープなどに適した切り方です。
短時間で甘くやわらかく煮たいときは「繊維を断つ」
繊維を断ち切るように切ると、細胞が壊れ、やわらかな食感に。辛味成分が出てしまうので、タマネギ本来のうまみや甘みを感じやすくなります。ハヤシライスやビーフストロガノフにおすすめの切り方です。
料理や加熱時間によって切り方を工夫!
タマネギは、サッと加熱すると辛みを感じやすく、じっくり火を通すほどにうまみ・甘みが引き立ちます。味の好みや仕上がりの食感によって、切り方を工夫してみましょう。
ほかの野菜と合わせるときは角切りに
いろいろな食材と一緒に煮込んだときにも食感があり、しっかり味わいたい場合には、他の食材と大きさをそろえて角切りに。ミネストローネやラタトゥイユに適しています。
バーベキューやオニオンリングには輪切りが最適
バーベキューやフライなどには、繊維を断つ方向の輪切りに。歯切れがよく、やわらかく仕上げられます。味がしみやすいメリットも。
煮込む料理にはくし切りがおすすめ
肉じゃがやシチューなど、形を残して煮る場合は、くし切りが最適。煮崩れしにくく、甘みを感じられます。
“薬味”としてうまみを出すときはみじん切りに
ハンバーグやコロッケなどには、みじん切りにしてタネの中に入れます。細かくするほど水分が出るので、他の具材となじみやすくなります。食感を出したい場合は粗めに刻む(粗みじん)とよいでしょう。
イライラしないみじん切りの手順を動画でご紹介!
料理の主役としても、うまみをアップする薬味としてもおいしさを発揮するタマネギ。料理に最適な切り方をマスターすれば、毎日の料理の強い味方になるはずです。
高城順子
女子栄養短期大学食物栄養科卒。和・洋・中華料理の専門家に師事した後、料理教室の講師を経て、フリーの料理研究家に。研究途上、栄養学の見地から野菜や果物のより有効な活用を思い立ち、エスニック料理の真髄を学ぶために東南アジア諸国を訪問。そこで習得した「美味しい健康食」の料理法をまとめ、発表した『くだものと野菜のヘルシークッキング』は、各方面から評価を得る。入手しやすい材料からちょっとした工夫で作る家庭料理が人気。テレビをはじめ、多数の雑誌で料理を発表し続けるとともに、新しい時代の食文化啓蒙活動にも力を入れている。