きゅうりにはどうして苦味がある?
きゅうりの緑色の皮のすぐ下には、水や養分などが流れる維管束という管があります。この管を流れる液の中に、苦味や渋味の元になる「蟻酸(ぎさん)」という物質が存在し、これがきゅうりのあくです。この液を減らすことが、きゅうりの苦味を減らすことにつながります。
きゅうりの苦味を抑える方法
きゅうりのへたを切り、実の切り口の部分と回転させる要領でこすり合わせます。すると、蟻酸を含んだ液が出てきて、苦味が軽減されます。
なぜ、切り口をこすり合わせると苦味が抑えられるの?
こすり合わせることで、維管束が刺激されて蟻酸を含んだ液がより多く出るようになるためだと考えられます。下のグラフは、きゅうりのへたと実を2分間こすり合わせた後、実の中央部分を切ったときに切り口から出た液と、何もせずに実の中央部分を切ったときに出た液をティッシュペーパーに染み込ませて、その量を比較したものです(果実重量100gあたりの液の量、きゅうりの品種は「半白節成」を使用)。
このグラフが示すように、こすり合わせた後は、切り口から出る液が少なくなり、きゅうりの苦味(あく)を抜くことができていると考えられます。なお、苦味や渋味が強いのは切り口から出る液だけです。
きゅうりのあくを抜くもうひとつの方法
まな板の上できゅうりを転がして、塩でもむ「板ずり」も、あくを抜く方法として効果があります。転がすことで皮の近くの組織を破壊し、維管束に溜まった苦味や渋味成分を除去できると考えられています。
最後に
きゅうりのへたと実の切り口をこすり合わせる、手軽なあく抜き方法をぜひ実践してみてください。
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