旬の野菜を収穫し、新鮮なおいしさを体感
広大な農園をもつ埼玉県の道の駅「アグリパークゆめすぎと」にお伺いし、体験窓口となる担当の田中潤さんにお話をお伺いしながら、実際に野菜の収穫を体験してみました。
① 想像以上!旬野菜の驚きのおいしさ
農園での収穫体験のメリットは、何と言っても旬の野菜を、食べごろのベストなタイミングで収穫できること。「例えば夏であれば、なすやピーマン、枝豆など、畑やビニールハウスになっているものを5~6種類ほど収穫いただけます。その雑味のない味わいに感動して、収穫体験の翌朝に、すぐリピートで来園されたお客さまもいらっしゃったほどです(笑)」と田中さん。
試しに、取材時に収穫体験をさせてもらった野菜のひとつ、ピーマンをシンプルに塩だけでソテーして夕食に出してみたところ、普段ならピーマン嫌いでなかなか口にしない子どもが、「苦みがおいしい!」となくなるまでおかわりをしたため、驚きました。
② 自ら収穫した野菜には、愛着が湧く!
収穫体験の際には、食べごろのものの見分け方だけでなく、野菜ごとの収穫のコツも教えてくれます。そのため、収穫体験が初めての場合でも、自分自身で選び、楽しく収穫することができます。「なすを収穫する際には、ふっくらしてツヤのあるものを選び、実を優しく持って、ヘタの5mmほど上を切ります(上の写真)」。ちなみに、ヘタの下の色が段階的に変わっている部分は、それぞれの色の幅が1日で生長したサイズなのだそう。
また、農園での収穫体験がそのまま食育の場としても機能しており、収穫体験のリピーターの方の声や、農林水産省の調査(※)によると「生産者に感謝し、自然の恩恵を感じるようになった」「残さず食べるようになった」「苦手な野菜も食べられるようになった」など、体験前よりも野菜に興味を持ち、好きになるケースが多いのだとか。
農林水産省 平成29年度食育活動及び国産農林水産物・食品に関する意識・意向調査
③ 農産物直売所でも、さまざまな旬野菜と出合える!
収穫体験の時間が取れなかったり、当日混んでいたりした場合には、農産物直売所でも、さまざまな旬の野菜と出合うことができます。「埼玉県オリジナル品種の、“丸系八つ頭”という里芋があります。11~12月が旬で、タイミングが合えば出合えるかもしれません」。
農産物直売所では、販売スタッフが気さくに対応してくれるため、野菜ごとのおすすめの調理法や、地元での人気の食べ方を聞いて、購入してみるのも面白いでしょう。
④ お値打ちに買えて、地産地消にも貢献できる
ゆめすぎとの農産物直売所では、例えば取材当日はB5サイズほどのビニール袋にパンパンに入ったオクラが100円だったり、立派なネギが5本で100円だったりと、営業時間前からお客さんが並ぶほどの人気でした。道の駅では、お値打ちなものもあれば、値段以上の質のものもあり、その場で選ぶ楽しさや、帰宅後には味わいへの感動があります。
また、形や色などが規格外のものも扱っているため、こうした野菜を買ったり、食べたりすることは「地産地消(地域で採れた農林水産物を、その地域内で消費しようという取り組み)」として、そのまま地元の生産者への支援にもつながっています。
最後に
道の駅や販売所をはじめ、地元産野菜などを購入することのできる拠点は全国に2万3,000カ所以上あります。なかには「ゆめすぎと」のように、収穫体験ができる施設もあり、子どもが野菜に興味をもつきっかけにもなります。道の駅などを、野菜を選ぶ際の選択肢のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。
取材協力:まちの駅・道の駅 アグリパークゆめすぎと
埼玉県杉戸町にある、家族で1日中楽しむことのできる道の駅。10.2haの広大な敷地の中に、杉戸の季節の野菜や花を販売する直売所や農園、地元食材を使った食堂の他、遊具、バーベキュー広場などがあり、自然と触れ合える公園を目指している。