涙が出ないといわれている予防法は?
冷蔵庫で冷やす
涙を出す成分は揮発性なので、温度が低いと飛びにくくなります。そのため、切る前に冷やすと効果があるといわれています。皮むきした後、乾燥しないようラップで包み、野菜室より温度の低い冷蔵室へ。急ぎの場合は冷凍庫でもOKです。ただし、冷やしすぎは好ましくないため、30分程度が目安。また、常温の空気に触れるとすぐに成分が出てくるので、取り出すのは切る直前にしましょう。
水に浸けながら切る
硫化アリルは水に溶ける性質があるため、細かく切る前に水に浸けると催涙物質の発生が弱まるといわれています。水っぽくならないよう、浸ける時間は10分程度を目安に。
涙予防のための3カ条
1. 切れ味のよい包丁を使う
よく切れる包丁を使えば、タマネギの細胞を壊さずに切れるので、硫化アリルの発散を抑えられます。切る前に、包丁を研いでおきましょう。家庭用シャープナーを使えば、1分程度で切れ味がよくなります。
2. 力を入れすぎず、滑らせるように切る
包丁を持つときは、力を入れすぎず、親指と人差し指は添えるような意識で軽く握ります。刃を押しつけてしまうとタマネギの細胞が壊れやすいので、滑らせるような感覚で、余計な力を入れずに動かすのがポイントです。
3. 短時間で手早く!
最後のポイントは、涙が出る前に切ってしまうことです。切れる包丁を正しく使えば、効率よく切れるので、それだけで時間短縮効果があります。
この3カ条は、タマネギを切るときの涙防止に限らず、ほかの野菜をおいしく切るのにも欠かせないポイントです。この機会にぜひ覚えておきましょう!
高城順子
女子栄養短期大学食物栄養科卒。和・洋・中華料理の専門家に師事した後、料理教室の講師を経て、フリーの料理研究家に。研究途上、栄養学の見地から野菜や果物のより有効な活用を思い立ち、エスニック料理の真髄を学ぶために東南アジア諸国を訪問。そこで習得した「美味しい健康食」の料理法をまとめ、発表した『くだものと野菜のヘルシークッキング』は、各方面から評価を得る。
入手しやすい材料からちょっとした工夫で作る家庭料理が人気。テレビをはじめ、多数の雑誌で料理を発表し続けるとともに、新しい時代の食文化啓蒙活動にも力を入れている。