特有の香りも栄養成分
ニンニクの香りのもとはアリシン。これは、アミノ酸の一種であるアリインという無臭の成分が、空気に触れて変化したものです。
●アリシンの特徴
1.刻んだり、すりおろしたりすると発生する
ニンニクを切り刻んだり、すりおろしたりして細胞が破壊されると、アリナーゼという酵素が活発になり、アリインが素早く分解されてアリシンが発生します。
2.ビタミンB1の吸収を高める
アリシンとビタミンB1を一緒に取ると、ビタミンB1がより体内に吸収されやすくなります。豚肉など、ビタミンB1を含む食品と合わせて食べるとよいでしょう。
3.加熱に弱いが、油と一緒に調理すると分解されにくい
ニンニクをシチューなどの煮込み料理に使う場合、水から入れて煮込むよりも、油で炒めてから加えた方が効果的です。
●生と、油で炒めたニンニクでの栄養の違い
生のニンニクと油で炒めたニンニクで栄養はどう違うのでしょうか。比較できるよう下のグラフにまとめました(可食部100g当たり。炒めたものは縦に2分割し、1mmの薄切りでなたね油を使用)。
生のニンニクは、ビタミンB6 1.53mg、葉酸93μg、食物繊維6.2gと豊富で、カリウム510mgを含みます。油で炒めると、グラフのように増加します。これは、使用する植物油の成分にもよりますが、炒めることで生よりも水分が減るためと考えられます。油で炒めることは、ニンニクの栄養を効率的に摂るひとつの方法と考えることができます。
最後に
ニンニクの香りや栄養の特徴を知って、炒め物などの料理に生かしてください。