皮はピーラーで薄くむく
れんこんは本来、皮付きのまま食べられますが、皮は少し硬いので歯ざわりがよくありません。皮をむくことで、泥の汚れを取り除くだけでなく、やわらかく色のよい面を出し、味をしみやすくします。
片方の手でれんこんを持ち、ピーラーを使ってむくのがおすすめ。カーブした部分にもフィットし、薄くなめらかにむくことができます。
切り方で食感を変える!
れんこんは切る向きによって食感が変わります。写真のように、繊維に沿って厚めの縦切りにすると、歯ごたえが残り、カリッとした食感に。同様に、繊維を断つように厚めの輪切りにすれば、やわらかな食感になります。
切ったらすぐ水にさらしてあく抜き
あくの抜き方
切ったあとのれんこんは褐変(かっぺん)しやすく色が変わってしまうので、すぐに水にさらしてあく抜きし、空気にふれないようにしましょう。
左が水にさらしたもの、右が水にさらさずにおいたもの。
あく抜き方法は料理に合わせて使い分け!
あく抜きには、水につける方法と、酢水につける方法があります。酢水につけると、でんぷん質の働きが止まり、よりシャキシャキとした食感に。水につけると、ホックリとした食感を残せます。用途に合わせて使い分けると良いでしょう。
サラダやちらし寿司のトッピングなど、白さと食感を生かすときには、酢水であく抜きするのがおすすめ。煮ものに使うときは、調味料がしみ込んで色づくので、水につけるだけでOKです。
これまで、どんな料理に使うときにも、同じ下処理をしていませんでしたか?これらのコツを知っておけば、いつもの料理がひと味違った仕上がりになるかもしれません。旬のれんこんをおいしく味わい尽くしましょう!
高城順子
女子栄養短期大学食物栄養科卒。和・洋・中華料理の専門家に師事した後、料理教室の講師を経て、フリーの料理研究家に。研究途上、栄養学の見地から野菜や果物のより有効な活用を思い立ち、エスニック料理の真髄を学ぶために東南アジア諸国を訪問。そこで習得した「美味しい健康食」の料理法をまとめ、発表した『くだものと野菜のヘルシークッキング』は、各方面から評価を得る。入手しやすい材料からちょっとした工夫で作る家庭料理が人気。テレビをはじめ、多数の雑誌で料理を発表し続けるとともに、新しい時代の食文化啓蒙活動にも力を入れている。