子どもが野菜を嫌う5つの大きな理由
1.色・見た目
子どもは、野菜の見た目で食べられるのかどうかを判断します。特に色の濃い緑黄色野菜ほど嫌われがち。子どもにとって、強い色は苦手な理由のひとつになります。
【工夫の仕方】
切り方を変えたり、ピックなどをあしらって見た目をかわいらしく工夫したりすることで、食べてみようかなという気持ちを抱かせることができます。
2.香り
知らない食べ物を目にすると、本能的に安全性を確かめるために匂いを嗅ぎます。その匂いを嫌ってしまうと、そのまま食べず嫌いになってしまうことも。ちなみに子どもが嫌いな野菜トップ3は、春菊、ししとう、ピーマン(2017年カゴメ調べ)。いずれも匂いの強いものです。
【工夫の仕方】
匂いを抑える工夫をすることが大切です。炒める、煮るといった調理法を基本に、下茹でするなどひと工夫をしてみましょう。
3.食感
カゴメの調査によると、子どもが野菜を嫌う理由の第1位「味が好きでない」に続き、第2位に「食感が好きでない」がランクインしています。中でも種や皮が多い野菜や、セロリのような繊維の多い野菜は食べにくく、苦手としています。
【工夫の仕方】
細かく切ったりよく煮込んだりして、食べやすくしてみましょう。
4.味
酸味や苦味は、子どもにとって慣れない味。これらは腐敗や有害を知らせる味として、本能的に避ける傾向があります。
【工夫の仕方】
「香り」のところで出てきた、油でのコーティングや、下茹で+冷凍で苦味を抑えられます。こういった工夫で、少しずつ慣れさせていくことも有効です。酸味は乳製品と組み合わせてマイルドにするのも良いでしょう。
5.食体験
好き嫌いをなくしたいという親心は大切ですが、無理やり嫌いな野菜を食べさせようとしたり、「食べないとオヤツなし」などの罰を与えたりするのはNG。これでは苦手な野菜と嫌な気持ちの記憶が結びついて、逆効果となります。
【工夫の仕方】
食事の時間を楽しくするようにしてみましょう。例えば家族で楽しく食卓を囲み、「おいしいね」といった会話をしたり、親がおいしそうに食べている姿を見せたりするほうが、子どもにとって良い効果を生みます。
解決法:親子で作る「ホットケーキミックス×炊飯器の野菜ケーキ」
子ども時代の好き嫌いは、大人になったときにどうなる?
●野菜嫌いの子どもも、大人になると克服
カゴメが行った「野菜の好き嫌いと食経験」に関する意識調査(2018年、16~69歳の男女2295人を対象)では、「大人になってから野菜が好きになった」という人も約6割という結果でした。小学校1~3年生の頃に「野菜好き」だったのはおよそ3人に1人と少数派。そんな子どもたちも、大人になると約4人中3人が野菜好きになっています。
●野菜摂取量に違いは出るの?
「1日の野菜平均摂取量」を子どものころに野菜が好きだった場合と、子どものときは野菜嫌い、もしくは普通で現在は好きという場合で比較すると、子どものころから野菜好きだった方が、大人になってからも野菜を多く摂取していることが、調査からわかりました。
「野菜好き」だと思っている大人でも、子ども時代に野菜嫌いまたは普通だった場合は、1日の野菜摂取量が約13g少なくなっています。
●子どものころ、食卓に野菜料理が出てきた頻度は関係ある?
子どものころの食卓の状況を調査したところ、大人になった現在、野菜が好きな人ほど、毎食に野菜料理が出ていたことがわかりました。下のグラフは、小学生のころの夕食時に野菜のおかずが出ていた頻度を、野菜好きな人と普通から嫌いな人で比較したものです。子どものころの食事状況が野菜嫌い克服に大きく影響していることがわかります。
最後に
大人になってから野菜嫌いを克服する人もいますが、子どものころから野菜好きだと、大人になってからも野菜をたくさん摂取する傾向が高いようです。ぜひ子どもの野菜嫌い克服のポイントを参考にしてみてください。