準備するもの
- プランター:三寸~五寸にんじんなら深さ30cm程度、ミニニンジンなら深さ15cm程度のもの
- にんじんの種
- 培養土
- 鉢底石
- 移植ごて(小型の園芸用シャベル)
- 化成肥料
- 不織布など(乾燥対策にあると便利)
品種選び
プランターの深さが30cmの場合は、根の長さが20cm以下の品種を選びましょう(西洋系の五寸にんじんなど)。
※記事では深さ30cm程度のプランターで五寸にんじんの育て方を紹介します。
種まき
大きくて太った種が発芽しやすいので、大きい種を選んでまきましょう。プランターに鉢底石と培養土を入れ、深さ1cmほどの溝を作り、5cm間隔で種をまきます。にんじんの種は「好光性種子(こうこうせいしゅし)」といって、光に当たることで発芽が促進されるので、土は薄くかけ、手で軽く押さえてからたっぷり水を与えます。
プランターを日当たりの良い場所に置き、発芽までは毎日、発芽後は土が乾き始めたらたっぷりと水を与えます。
間引き
種まきから7~10日で発芽します。元気の良い株を残して株間が約3cm間隔になるように間引きします。その後本葉が2~3枚ほど出たら株間が約6cm間隔になるように間引きし、さらに本葉が5~6枚ほど出たら株間が10~12cm間隔になるように間引きします(下の画像は3回目の間引き)。
間引きをした後は、その都度、土を足して間引いた後の穴を埋めておきます。
追肥と土寄せ
間引きのたびに、化成肥料10~20g程度をまいて、土と軽く混ぜます(混ぜた土は、株元に寄せて株を安定させます)。3回目の間引きの後も同様に追肥を行い、以降は2週間に1回追肥をします。
収穫
地上に見える部分の根の直径が4~5cmくらいになったら収穫です。根元を持って引き抜きます。
病害虫と予防
にんじんにつきやすい害虫は、アブラムシとキアゲハの幼虫です。アブラムシは専用の薬剤を使うほか、霧吹きなどで防除剤をかけて虫を防ぎます。キアゲハの幼虫は割り箸などでつまんで、すぐに駆除します。
最後に
採れたての新鮮なにんじんを、いろいろな料理で楽しんでください。
藤田 智
1959年秋田県湯沢市生まれ。宮澤賢治に憧れ、岩手大学農学部に入学し、同大学院修了。向中野学園高校教員、恵泉女学園園芸短期大学助教授を経て、現職。専門は、園芸学、野菜園芸学。野菜栽培に関連する著書は160冊を超え、「NHK 趣味の園芸 やさいの時間」や日本テレビ「世界一受けたい授業」などのTVにも多数出演する。家庭菜園や市民農園の指導、普及活動を通じて、野菜づくりの楽しさを広げる取り組みを行っている。
ホームページ